2006年だけどAutoCAD 2007
AutoCAD 2007が発表されるようですね。今回は3D機能の大幅な強化が目玉で、従来の作図・製図機能に加えて、3Dモデルによるコンセプチュアルデザインの検討とそのビジュアル化、プレゼンテーションに重点が置かれるようです。将来の64bit化、Windows Vista対応に備えた内部的な変更もあるようです。
3D機能ではInventorの3Dエンジンを搭載し、Revitのマスモデリングのようにインタラクティブに3Dモデルを作成・編集したり、作成した3Dモデルを切断して断面図や側面図などを作成することができるようです。また、Mental Rayによるフォトリアリスティックなレンダリングだけではなく、スケッチ風の表現も可能になるなど、3Dモデルの表現手法にも幅が出そうです。
その他の細かい機能としては、内部ユニコード化によるマルチランゲージ対応で、画層名に日本語・英語・中国語を混在させたりすることができる、従来Express Toolsに搭載の機能の一部がAutoCAD本体に取り込まれる、R14形式のR14形式のDWGファイル出力やPDFファイルの出力がサポートされる、などがあります。また、LTでは上記に加えてダイナミックブロックの作成もサポートされるなど、レギュラー版との差別化は3D機能とカスタマイズ機能の有無に明確化される模様です。
で、AutoCAD 2007なんですけど...
3D機能を利用するには、Pentium 4 3GHz級のCPUに2GB以上のRAM、OpenGLアクセラレータ搭載のグラフィックボード推奨など、かなりのハイスペックな動作環境が必要で、また、お約束どおり(^^ゞDWGファイルのフォーマットが変更されるなど、移行に際してのハードルが高いです。
EX-Ⅱ、GX-Ⅲ以来のAutoCADユーザーとしては、ヘビーな使用にも耐えてくれるAutoCADの高い信頼性とカスタマイズ性には大きな魅力を感じてきたわけですが、製図マシーンとしては行き着くところまで行き着いた感があります。
3Dモデルを使用したコンセプトデザインには当然魅力を感じますが、Revitなどの専門分野に特化した製品との利用シーンが重なってしまいますし、(建築)設計者がさくさくっと"アイディアをかたちにする"には重すぎるし堅苦しすぎるような気がしています。
実施設計図や施工図を描くならいいんですけど、Sketch UpやVector Worksのような世界に切り込んでいくには、Autodeskという会社が作る製品は妙に堅苦しいといか大袈裟なんですよね。その大袈裟さかげんがAutodeskの利益を生んでいるのでしょうけど、(建築)設計者を遠ざけていっているのも事実だと思います。
AutoCADよお前はどこへ行くのか...なんだか漂流感を感じてしまいました。(^^ゞ
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