熈代勝覧
2009年11月19日放送のブラタモリ「日本橋をブラタモリ」で、江戸時代の東京・日本橋の様子が「熈代勝覧(きだいしょうらん)」という絵巻で紹介されていました。「熈代勝覧」は、1999年にベルリン東洋美術館で発見された絵巻で、文化2年(1805年)頃の神田今川橋から日本橋までの日本橋通りの賑わいが描かれています。たまたま寄った本屋さんでこの「熈代勝覧」を解説した本「「熈代勝覧」の日本橋 活気にあふれた江戸の町」があったので、思わず買ってしまいました。(^^ゞ
縦43cm、全長1,230cmの絵巻には、およそ七町(760m)の日本橋通りにある問屋や店、屋号や商標が書かれた暖簾や看板、旗や高札、通りをかまびすしく行き交う1,671人の男と女と子供、犬20匹、馬13頭、牛4頭、猿1匹、鷹2羽、振売りの行商人、立売り、貸本屋、古着売り、回り髪結、金毘羅参り、勧進の一行、巡礼、虚無僧、辻駕籠、飛脚、花見の一行、登下城の武家の一行、雛市などの様子や当時の風俗が克明に描かれ、見飽きることがありません。
200年たった今も同じ場所に日本橋三越本店と三井本館があり、今は高速度道路と堤防に囲まれて薄暗い場所になってしまった日本橋の魚河岸なんか、もう滅茶苦茶な人混みです。現代とは文化・風俗が違うので、解説なしでは何をしている場面なのかなかなか理解できませんが、江戸の町人文化が花開いた文化・文政期のエネルギッシュな江戸のようすが活き活きと伝わってきます。
「熈代勝覧」とは、「熈(かがや)ける御代の勝(すぐ)れたる大江戸の景観」という意味のようですが、よくまぁ、このような絵巻がドイツで見つかってくれたものだと思うと同時に、この絵巻が、まさに江戸の人々が未来のわれわれへプレゼントしてくれた時間旅行であると思わずにはいられません。現代のわれわれは、未来の人たちに何を残せるでしょうか?
Comments: (2)
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でも絵巻のコピーの解像度の悪さに驚き愕然。
そこで「熈代勝覧」を観に行ってきました。
ニュースで三越前駅完成記念に「熈代勝覧絵巻」が飾られているというので行ってきました。
結構これを見るために来た人多くいて、私もほっとしました。(チョット恥ずかしかったものですから)
でも悲しいことに本物を見たことが無い私は関心するだけで終わってしまった。
ps. 三越前駅の「熈代勝覧絵巻」はドットも荒くなく、色のグラデーションも完璧で素晴らしかった。